よりーねちゃんにはちょっと前から気になっている場所があった。
いつも岩国の中心部にあるハンドメイド作品の委託先である『HappyMoricoroMarket』に行くときに通る187号線沿い、北河内駐在所と北河内郵便局の間に大きな日除け看板がいつの間にかできており、その前に何台か車が停まっている。
以前はこの場所にそのようなものはなく、ただの民家だったように思う。
しかしいつの間にやらできたこの大きな庇はよりーねちゃんの興味をひいた。
187号線と言えば、同じような民家の並びと森の繰り返しのような路線であるため、うっかり通り過ぎてしまったり、通り過ぎる時間帯的に朝食直後であったり、夕食前など食事をするような頃合いでないことも多い。
しかしよりーねちゃんはどうしても気になったので、昼食の時間帯と、おやつの時間帯の二度、こちらの店に足を運んでみた。
一度目はおやつの時間帯に訪れた。
店の入り口への通路手前にはこちらの看板が出ていた。
スイーツではなく『おやつ』と書かれているのがなんとも言えない。
3つのおやつのうちどれにしようか迷いつつ、入口への通路を進んだ。
どう見ても、どう見ても、どう見ても、(どぅん☆)『ひとんち』である。
どうやらこの場所に建てた民家の中を改装してお店にしたようだ。
お店の中に入るとき、あまりの『ひとんち』感に思わずよりーねちゃんは『お邪魔しまーす』と言ってしまったがために、店員の女性から『えーと、お食事……ですよね?』と言われてしまった。
そのぐらい入り口が『ひとんち』である。
促されるままにテーブルに着き、お冷が運ばれてきた。
お冷はどうやらハーブウォーターのようで、何となく植物の香りと酸味があった。
そしてふと庭を見るとやはり
『ひとんち』である。
店内のお客さんも『近所のイケてるおじさん』と『LINEの使い方を仲間にレクチャーするご近所マダムたち』と、とてもアットホームな店内である。
早速よりーねちゃんは『和パフェ』とホットコーヒーのセットを注文した。
理由は抹茶のシフォンケーキが味わえて、よりーねちゃんの大好きなアイスクリームまで堪能できる一石二鳥メニューである上、シフォンケーキ単体とお値段が変わらない、という理由である。
このおやつのメニュー、なんでも気まぐれで日替わりするらしく、二度目にランチに訪れた時にはコーヒーゼリーとキャロットケーキになっていた。
訪れた時にはぜひとも通路の黒板を確認してほしい。
運ばれてきたのがこちら。
ちょっとしたおやつにちょうどよさそうなサイズの和パフェと、おしゃれなコーヒーカップのホットコーヒーだ。木製のトレーと葉っぱの形の布製コースターがいかにも『翠の風』という雰囲気である。
和パフェの上にちょんと載せられたこの花。ハナノナというアプリで確認したところ『ルリジサ』というハーブの花であるようだった。
おそらくこの庭で育てられたものだろう。なんともおしゃれだ。
カフェでスイーツをゆっくり堪能しつつ、花の名前にまで思いを馳せる体験までさせてくれるとは、こだわりが溢れていてよりーねちゃんは感銘を受けた。
肝心のパフェはというと、上に載った抹茶のシフォンケーキは素朴な味で、ふわふわ。濃厚な抹茶の香りというよりも、手作りの抹茶シフォン、といった印象だった。
添えられた餡子は少し甘塩っぱく、食感もねっとりとはしておらず、アイスクリームの甘さとバランスがとれており、アイスと一緒にスプーンに載せて、混ぜて味わうととても美味しい。
底の部分にはおそらく穀物の成分の多いフレークが入っており、よくあるコーンフレークではなくこのフレークが使用されているからか、和の味わいとマッチしていて、最後まで『和』のパフェを堪能できた。
セットのコーヒーはネルドリップで淹れられたこの『翠の風』オリジナルのブレンドコーヒーだという。
よりーねちゃんは酸味の強いコーヒーが苦手だが、このブレンドは苦みの方が強く、スイーツで甘くなってしまった口の中を整えるのに丁度よい味わいだった。
濃い目に淹れられているので、この小さめのカップでも十分に味わえる。
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後日、今度はランチの時間に『翠の風』を訪れた。
その時の店頭の看板はこれだ。
前回の看板に書かれていた『サバカレー』があればそれにしようと思っていたが、やはり気まぐれメニューの為か、今回のカレーランチは『シンガポール風』。
少し迷ったが、鶏肉好きなよりーねちゃんは『鶏むね肉のマヨポン照り焼き』に心奪われてしまったので、今回はこちらを注文することにした。
850円のランチドリンクセットだが、写真のように雑穀ごはん、ナスとお豆腐と油揚げの味噌汁、パプリカとフェンネルの和え物、ヒジキとミックスビーンズのツナマヨ和え、野菜サラダ、そしてメインの鶏むね肉のマヨポン照り焼きと、かなりボリューミーである。
セットドリンクは今回アイスコーヒーをチョイスした。
パプリカと一緒になっているフェンネルだが、耳慣れない人も多いだろう。少し独特な味と香りのするハーブで、写真に写っているゴマのような粒がそれだ。
インドカレーの店などによく行く人は、帰りにレジ横に置かれたカラフルなお口直しのための粒々、『ソーンフ』を一度は口にしたことがあるかもしれない。その中身がこの『フェンネル』である。人によっては『海外製の歯磨き粉のような風味』と思ってしまうこともあるかもしれない。
ちなみによりーねちゃんは全く平気だ。小さなころは歯磨き粉だって美味しく飲み込んでいてよく怒られた。(よい子はマネしないように)
メインの照り焼きはなんと5つも載っていて、出来立てなのか、とても熱々だった。
猫舌のよりーねちゃんはハフハフ言いながらご飯と一緒に美味しくいただいた。
マヨの程よい酸味と、衣によくしみ込んだポン酢タレの香ばしさが癖になる美味しさだった。
ランチの総量としては、女性なら満腹、男性なら腹八分目、といった量のように思う。
アイスコーヒーはきりっと素直な苦みがあって、照り焼きの熱々とこってり感をリセットするのに丁度よい味だった。
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余談だが、最初に訪れた時に来店していた『近所のイケてるおじさん』はランチを食べに訪れた時にも実は来ていた。
おやつに訪れた時はお店のお姉さんとご近所付き合いの話をしていたが、ランチの時には『スポーツは見るよりもやる方が好き』という話を別の客としていた。なるほど、よりーねちゃんはこのおじさんとは話が合いそうだ。
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『翠の風』では、店内飲食だけではなくテイクアウトのお弁当(500円)も数量限定で作っているとのこと。
よりーねちゃんがランチに訪れた際にも、すぐ隣の郵便局員のお兄さんが嬉しそうに500円玉を握りしめて「お弁当まだありますか?」と言っていたので、結構な人気商品と思われる。「ありますよ」とお姉さんから聞いた瞬間の笑顔が少年の様で最高だった。
岩国から山賊のある2号線方面ではなく、187号線方面にお出かけの折には、是非とも立ち寄ってもらいたい。
小さなころに訪れた友達の家や親せきの家のようなアットホームな空間で、美味しいランチやおやつを堪能してほしい。
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